2010/6/29 火曜日

ピザを求めて三千里~アメリカで触れたウォームハート~

Filed under: 視点 — blogmaster @ 16:08:01

だいぶ時間が経ってしまいましたが、昨年秋の米国出張の際の思い出話を一つしたいと思います。

昨年9月に環境大臣に就任早々、鳩山総理(当時)と御一緒させていただき、国連の気候変動サミットに出席するため、昨年9月21日からニューヨークに行ってまいりました。温室効果ガス25%削減という野心的な目標を掲げた国連気候変動サミットでの鳩山総理(当時)の演説への反響は極めて大きなものがあり、日本が国際社会においてこれほど大きなリーダーシップを発揮したことは、かつてあまり例がありません。日本の政権交代を世界に強く印象付けた演説でした。私自身も、米国、中国、インド、デンマーク等の八カ国の環境大臣等と精力的に会談を行い、気候変動問題に関し、率直、かつ、貴重な意見交換をさせていただくことができました。日本としての強い決意を伝えるとともに、各国の一層の協力を直接働きかけることができました。

一方、初めての国連総会出席、初めての二国間会談等初めて尽くしの海外出張で、やはり恋しくなるのは普段食べ慣れた食事です。私は普段から気取った堅苦しい食事は大の苦手です。特に今回の訪問地はアメリカということもあり、自他ともに認める庶民派の私としては、出張も後半になると、普段食べ慣れたピザやパスタを無性に食べたくなりました。そこで、ニューヨークの次の訪問地であるピッツバーグでは、環境省出張者チームで庶民的なイタリア料理のお店に行くことにしました。折しもニューヨークでの最終日では鳩山総理(当時)も同じ気持ちであったらしく、国連総会での一般演説の後の昼食は、総理御一行はピザを食べにいくことになり、私にもお誘いがかかりました。しかし、私はその晩、環境省チームでピザを食べに行くことにしていたので、ぐっとこらえて晩を楽しみに、ピッツバーグへと向かいました。

ピッツバーグに到着したのは9月24日夕刻。環境省から米国大使館に出向しているK君が宿泊先のホテルの近くに見つけてくれた庶民的なイタリア料理のお店に足を運びました。テーブルに座り、メニューを開けてみたところ、パスタのメニューはありますが、ピザのメニューはありません。「ピザのメニューもお願いします。」と頼んだところ、返ってきた答えは、「うちの店ではピザはお出ししていません。でも、うちのパスタは最高だよ!」との明るい答え。私がピザを楽しみにしていたことはK君も知っていましたので、店のメニューにピザがないと聞いたK君は、その場で冷や汗をどっと流していました。パスタはもちろん楽しみにしておりましたが、ピザも楽しみにしていた私は、K君を慰めつつ、店員さんに事情を説明した上で、やむなく別の店へと向かうことにしました。

お店を出て、ピザ屋さんを探すこと30分、行けども行けどもなかなかピザ屋さんが見つかりません。ガイドブック等を開き、適当なお店を探し続けたところ、ようやく雰囲気の良さそうなピザ屋さんを一つ見つけることができました。これでようやく美味しいピザを食べられると思い、席に着くなり、まずはワインを注文しようとしたところ、帰ってきた答えは、「うちの店ではワインはお出ししていません。もちろん持ち込みはOKです。」との答え。さて、どうしたものかと思案し始めていたら、すかさず隣のテーブルの三人連れの方から、「私たちが飲んでいるワインが1本余っているので、もしよろしければどうぞ召し上がってください。」との大変暖かい申し出がありました。「ありがとうございます。でも、どうして?」とお伺いすると、「私たちピッツバーグ市民は皆、パイレーツの大ファンなのです。明日夜のパイレーツの試合では、パイレーツ球場で日本の鳩山首相が始球式をされるとのニュースを聞いてとても嬉しいのです。皆さんは日本の方ですよね。このワインは私たちの気持ちとして受け取ってください。」とのこと。

異国の地での暖かい心遣い、これほどうれしいものはありませんでした。もちろん、私たちも近くのワインショップでワインを購入し、そのうちの一本を先ほどのテーブルの方にお礼の言葉を添えて差し上げました。日米親善は、会議出席だけがすべてではありません。始球式への参加など、地元の方々を意識した取組も大事、それを実感したひとときでした。

さて、ワインの心配がなくなり、早速、ピザを注文しました。そして、次にパスタを注文しようとしたところ、パスタのメニューがありません。そこで「パスタのメニューもお願いします。」と頼んだところ、今度返ってきた答えは、「うちの店ではパスタはお出ししていません。でも、うちのピザは最高だよ!」との明るい答え。ピザとパスタの両方を楽しみにしていた私としては、この期に及んではあきらめざるを得ません。おいしくビザをいただくこととしました。パスタは食べられませんでしたが、普通のお店の普通のピザはやはりとても美味しく、また、ピッツバーグの地元の方の暖かい心遣いに触れることができ、とても嬉しい経験をすることができました。

気候変動問題を始めとする外交交渉も、最後の決め手となるのは一人ひとりの友好関係です。そして、国と国との関係も、草の根レベルでの友好な関係があって初めて成り立つものです。人類社会の最大の課題の一つである地球温暖化問題については、国際社会の一致結束した取組が必要となります。そして、そのためには、首脳レベルから草の根レベルまで、様々なレベルでの対話と働きかけが重要となります。私も、各国の環境大臣等の方々一人一人と友好関係を築き、地球温暖化問題の解決に向けて、少しでもお役に立てるよう引き続き頑張りたいと思います。

2010/1/8 金曜日

今年はエコ年

Filed under: 視点, 国政 — blogmaster @ 16:33:16

 あけましておめでとうございます。環境大臣の小沢鋭仁です。

 今年は環境にとっては、ものすごく大事な年です。  まずは何と言っても地球温暖化対策です。25%削減の実現に向けて、まもなく「チャレンジ25」のキャンペーンをスタートさせます。これは、日々の暮らしやオフィスでの取組に焦点を当てて、国民の皆様と一緒になって二酸化炭素を減らしていこうとするものです。3月には温暖化対策基本法案を国会に提出し、その成立を目指します。併せて、25%削減の具体的な道筋を明らかにした工程表(ロードマップ)も発表します。11月にはCOP16(気候変動枠組条約第16回締約国会議)が開かれます。昨年12月のコペンハーゲン合意の成果を生かし、米中を含むすべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みづくりに向けて頑張ります。

 水俣病問題の解決に向けた取組も今年が正念場です。5月1日は水俣病犠牲者慰霊式の日です。これを念頭において、被害者の早期救済実現に向けた努力を続けていかなければなりません。現在、裁判が継続中ですが、その動向もしっかりと見定めながら法律に基づく「救済措置の方針」を決定し、解決を目指していきたいと思います。

 この秋にはCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が名古屋で開かれます。日本が議長国であり、私が議長を務める予定です。この会議では、地球上の多種多様ないきものを守るための新しい世界目標を決めることになっています。日本も議長国としての提案を条約事務局に提出しました。ただ、私がこの問題で心配をしているのは、「生物多様性」という言葉は分かりにくく、内閣府の調査によれば、61.5%の方々が「生物多様性」という言葉を聞いたこともないと回答しております。これを噛み砕いて、国民の皆様に実感してもらえるようにしていくことが今後重要です。例えば、COP10の名称についても「国連地球いきもの会議」というわかりやすいサブタイトルを使っていきたいと思います。日本人は、自然と共生しながら豊かな文化を育んできた民族です。そうした日本人の昔からの生き方、思想を、「国連地球いきもの会議」に吹き込み、国民の皆さんの関心も大いに高めながら、ともに行動を起こしていきたいと思います。

 経済の面からも今年は環境がキーワードです。昨年末に決定した「新成長戦略(基本方針)」の大きな柱は環境です。環境はもはや経済成長の制約ではありません。むしろ経済成長を引っ張るのが環境です。経済3団体の新年会などにおいても、経済成長にとって重要なファクターとして環境に期待する声が多く挙げられていました。また、環境金融の新しい動きとして、環境の投資信託でエコアクションポイントという取組も始まりました。まさしく、環境が経済の主役、そんな時代になったと思います。

 環境で日本と世界を引っ張る、そうした意気込みで今年も精一杯取り組んでまいります。本年もよろしくお願いいたします。

2009/12/19 土曜日

シリーズ 講演録 地球温暖化政策の新局面~ポスト京都議定書の行方⑤

Filed under: ブログ, 視点, 国政 — blogmaster @ 18:20:39

 時まさにコペンハーゲンにてCOP15が開催中あり、小沢鋭仁も彼の地にて頑張っているところでございます。そこで、この機会に改めて小沢鋭仁の環境政策への理解を深めていただくため、過日行われましたシンポジウム「地球温暖化政策の新局面~ポスト京都議定書の行方」における小沢鋭仁の講演録をシリーズで掲載いたします。本日はその最終回です。
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 時間が過ぎてしまったのですが、あと1点。排出量取引に関しても述べさせてもらいたいと思います。
 これも役員のみなさんと議論したとき、そもそも排出量取引を導入することにも、いろいろな意見があるのも事実だと思っています。民主党の立場から言わせていただくと、これもマニフェストに書かせていただいて、選挙を戦わせていただきました。いろいろな勉強をすればするほど、逆にいろいろな心配が出てくるところも事実であります。
 しかし、同時に全体で排出量を決定できる。例えば税をかけても、個々の人たちの対応によって抑制効果は変わるわけですが、排出量取引は少なくても一定の量のキャップをかけることによって、明快に上限を決めることができるわけですし、そういった政策も考えざるを得ないのかなと。世界的な傾向を考えてみても、もうすでにEU、アメリカが法案にかけている等々の状況を考えると、日本がやらないで済むのかということだと思います。
 問題は、いわゆるマネーゲームにならないような措置が必要です。排出を削減したところがきちんと評価される。残念ながらできなかったところは、資金を出して排出権を買うという中で、全体として決めた排出量はきちんと守っていく。そういう真摯な制度に仕組んでいかなければいけない。
 これで一儲けしようという話であってはいけないと思っておりまして、鳩山さんが議長の閣僚委員会の下に、菅さんが副大臣検討チームということで座長を務めて、私が事務局長をやっておりますが、そこでいろいろな制度設計の勉強をスタートしているところであります。ここはまさに経済界の皆さん方の意見も必要だと思っておりますので、ぜひ意見をちょうだいしたいと思います。
 最後に1点だけ申し上げます。経済界の皆さんにお願いをするわけでありますが、デフレの進行、継続が大変心配であります。皆さん方が、いままでと同じだけのものを売っても売り上げは上がりません。そして、売り上げは上がらないけれども、返す借金の額は変わりません。まさにそこがデフレの一番難しいところであります。
 かつて好況と言われたときにも好況感がないと言われていた、この失われた10年とか  15年。そのときも、やはり景況感がない最大の理由はデフレだったと、私は思っております。皆さん方が一生懸命、合理化の中で利益を出した。利益が出ているから好況だという話だけれども、本当に売り上げが伸びたかと考えたときに、そうではない。
 デフレが本当に深刻だと、私はこの十数年ずっと闘ってきているのですが、経済界の皆さんがこのことを意外と言ってくれない。ですから、ぜひ皆さん方からもデフレを止めろ、それを止めるのは金融政策だ、金融政策が駄目だからいま円高だ、円高で日本の産業は苦しんでいるという話を、ぜひ明快に発言いただきたいと思っております。金融政策の担当は日本銀行であります。皆さん方に、そのことを最後に一言申し上げて、私からのご報告とさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。(拍手)

2009/12/17 木曜日

シリーズ 講演録 地球温暖化政策の新局面~ポスト京都議定書の行方④

Filed under: ブログ, 視点, 国政 — blogmaster @ 15:07:44

時まさにコペンハーゲンにてCOP15が開催中あり、小沢鋭仁もつい先日土曜日に彼の地へむけて旅立ったところでございます。そこで、この機会に改めて小沢鋭仁の環境政策への理解を深めていただくため、過日行われましたシンポジウム「地球温暖化政策の新局面~ポスト京都議定書の行方」における小沢鋭仁の講演録をシリーズで掲載いたします。本日はその第4弾です。

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 それとは別に、例えば民主党の中で言えば、暫定税率の廃止というのは道路関係のところで議論が進んでいました。温暖化対策税というのは、先程申し上げたような対策本部で議論が進んでおりました。議論は全く別々に進んでいるのが事実であります。
 ぜひ皆さんにも申し上げておきたいのは、少なくともこの問題は、こっちの税収がなくなるからこっちで取り返すという発想で始まっていない。それは事実であります。しかし、  タイミング的にいま同時に走っているのもまた事実であります。
 そういった中でどうするのか。私ども環境省としては、基本的に温暖化を阻止するための税制でありますから、全化石燃料に一定部分税率をかけて税をいただきたい。税をいただくという意味は、一つはいわゆる抑制効果です。一つは上がってくる税収によっての対策財源です。この二つのために温暖化対策税というのを考えています。
 これはもう政府税調に上がっております。政府税調というのも、かつてのような有識者の皆さんたちの税調ではありません。政治家が全部決めている政治主導の税調であります。その中で、私たちは環境省の立場を申し上げますが、あとはほかのことも含めていろいろな議論がされているということでございます。
 ただ、こういう時代ですから、私どもとしても特定財源、目的税にするつもりはございません。一般財源として提出をしておいて、しかし、できうる限り温暖化対策にも使うという対応をしてまいりたいと思います。
 これは、かなり産業ごとに影響が違ってまいります。そこのところはしっかり激変緩和策を取らせていただきたいと思っておりますし、コミュニケーションと申し上げたのは、まさにそういうところで、「これはいくら何でもきつすぎる」という話は、「具体的にこういう話で考えてくれ」と言っていただければと思います。全部やれるとは限りません。
 いま我々も欧米の事例を一生懸命勉強しています。どこまでが公平で、どこまでやれるのかといった話も真剣にやっておりまして、少なくとも私は、経済界のことなんか一切構わず、とにかくかけるものはかけるという発想ではありません。ぜひ皆さん方におかれましても、日本の競争力が維持できる範囲の中で、でも同時に地球を守る。そのためには、「ここはこういうふうにしてくれ」という話は、どうぞ遠慮なくおっしゃっていただきたいと思います。(続く)

     
  
<<COP15にて>>

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<<COP15にて福山外務副大臣と>>

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2009/12/16 水曜日

シリーズ 講演録 地球温暖化政策の新局面~ポスト京都議定書の行方③

Filed under: ブログ, 視点, 国政 — blogmaster @ 16:38:26

時まさにコペンハーゲンにてCOP15が開催中あり、小沢大臣もつい先日土曜日に彼の地へむけて旅立ったところでございます。そこで、この機会に改めて小沢さきひとの環境政策への理解を深めていただくため、過日行われましたシンポジウム「地球温暖化政策の新局面~ポスト京都議定書の行方」における小沢大臣の講演録をシリーズで掲載いたします。本日はその第3弾です。

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  それから、COP15の現状を少し申し上げておきます。結論から申し上げますと、京都議定書の改定という話は難しくなりました。政治的合意という話になると思います。私はかなりの確率で政治的合意を結ぶことができると思っています。私も先週、プレCOPに行ってまいりましたし、その前にオバマ大統領が来日し、私も会合に出させていただいて、その発言も聞きました。

 最大のポイントは、アメリカと中国がどういう対応をしてくるかだと思います。少なくとも政治的合意には前向きでやりたいという話でありますので、何らかの合意ができることはほぼ間違いないだろうと思います。

 問題はその中身であります。アメリカの中身が今のままでいいのか。アメリカは2005年比で言っていますが17%。90年比で言うと4~5%ぐらいの削減率。これでいいのかという議論も相当出ています。今日の新聞でも、EU、あるはデブア事務局長が、さらなる削減努力を、という記事も出ています。いずれにしても、アメリカがかなり入ってくるのは間違いないだろうと思っておりますし、中国も自分たちの国別目標を明示していくという話も出ているわけです。

 政治的合意は何とか取れると思うし、17日の夜、世界の首脳が多分コペンハーゲンに集まるのだと思います。鳩山さんもよほどの事情がない限りは、必ず行くと言っておりまして、18日の最終日で一つの形を示したいと思っております。

 鳩山さんが来る前に、私が地ならしで行くわけでありまして、何とか1日で最後の決断ができるような仕組みを取りたいと思っているところでございます。時間がどんどん過ぎていきますから、あとの質問に残して先に行きます。

 地球温暖化対策税。これも私が発表させていただきました。皆さん方からもいろいろな意見をいただいているところでございます。しかし、これに関して申し上げておきたいのは、一つは暫定税率が廃止という話が片方であります。ガソリンや軽油の暫定税率の廃止。われわれ民主党はこれをマニフェストに掲げて選挙を戦ってまいりましたので、そういった話はしっかり実現したいと思っているところであります。(続く)

2009/12/15 火曜日

シリーズ 講演録 地球温暖化政策の新局面~ポスト京都議定書の行方②

Filed under: ブログ, 視点, 国政 — blogmaster @ 10:07:23

時まさにコペンハーゲンにてCOP15が開催中あり、小沢大臣もつい先日土曜日に彼の地へむけて旅立ったところでございます。そこで、この機会に改めて小沢大臣の環境政策への理解を深めていただくため、過日行われましたシンポジウム「地球温暖化政策の新局面~ポスト京都議定書の行方」における小沢大臣の講演録をシリーズで掲載いたします。本日はその第2弾です。

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 一つ、皆さんにぜひ誤解がないようにお願いしておきたいのは、25%カットというと国民生活は我慢を強いられるのだという受け止め方をする方がいらっしゃいます。いわゆる耐乏生活みたいな話です。そうではない。ここは基本的な考え方で、皆さん方に申し上げたいのですが、鳩山政権、少なくとも小沢環境大臣、私の立場は、地球を守るこの活動を行うことによって、国民生活はさらに快適、安全、安心になる。そういう国民生活を実現していくことで、25%カットを行いたいのです。

 それから、今まで自治体を含めて、日本の中では地域ぐるみでCO2削減という話はありませんでした。しかし、世界の温暖化対策の先進国を見ると、全て地域ぐるみ、自治体で行っているのです。

 今度コペンハーゲンでCOP15が開かれますが、コペンハーゲンの電気、暖房は地域暖房です。全ての企業、家庭は地域暖房に接続することを義務づけられています。地域暖房というのは、廃棄物を処理する熱、あるいは、あそこは風が強いので風車で電気を作って、その熱でお湯を市内全部に回している。

 これは私も驚いたのですが、99℃でそこから外に出す。「でも、帰ってくるときに相当冷たくなるでしょう」という話をしたら55℃で済んでいる。「本当にそうか」と言って、もう1回調べていますが、各家庭はそこに接続することによって暖房している。当然、窓は二重窓です。壁も断熱材がある。ですから、ものすごく効率がいい。地域全体の取り組みというのがあるのです。そういった意味で、地域も変えていく。そういう話をしたいのです。

 最後は皆さん方の立場のものづくり、産業界でありますが、皆さん方が今まで世界の中で最も頑張っていただいて、エネルギー効率が高いという話は私どももよくわかっているわけです。そこにあまり無理を申し上げるつもりはありません。このあいだ経団連の役員の皆さんと話したときも申し上げたのですが、日本の今の経済力というのは、例えばかつて石油ショックのときに省エネ技術を磨いて、あるいは自動車であれば排ガス規制に対応する技術を磨いて、強くなったのではないですか。

 ここは、温暖化の問題をコストと考えるのか、チャンスと考えるのかの大きな節目です。鳩山演説から企業の皆さん方も、最初は「仕方ねえな」と思ったのかもしれませんが、いま新聞の中には、逆にここはチャンスに変えなくてはいけないという報道も相当出てきています。あるいは、もう何年も環境に取り組んできたところが、いよいよ環境が商売になるという思いでおっしゃっているところが、伝統的な企業からも出てきている。

 ぜひここは産業界の皆さんにも、もう一踏ん張り頑張って企業家魂を燃やしてもらって、さらにこれを乗り越えていく中で、日本経済が強くなるという道筋を考えていただきたいと思っているわけです。温暖化対策は決して日本を暗くしない。明るくするための温暖化対策だと申し上げておきたいと思います。(続く)

2009/12/14 月曜日

シリーズ 講演録 地球温暖化政策の新局面~ポスト京都議定書の行方①

Filed under: ブログ, 視点 — blogmaster @ 8:59:44

時まさにコペンハーゲンにてCOP15が開催中あり、小沢大臣もつい先日土曜日に彼の地へむけて旅立ったところでございます。そこで、この機会に改めて小沢大臣の環境政策への理解を深めていただくため、過日行われましたシンポジウム「地球温暖化政策の新局面~ポスト京都議定書の行方」における小沢大臣の講演録をシリーズで掲載いたします。本日はその第1弾です。

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 おはようございます。環境大臣の小沢鋭仁でございます。

 鳩山首相による国連での発言のポイントは二つ。90年比の25%カットと、もう一つは途上国支援の鳩山イニシアチブです。私どもの思いは、25%カットで先進国を引っ張りたい。意欲的、野心的な目標を掲げることによって、先進国、特に米国を含めて日本がリードしたいという思いでありました。

 国連での雰囲気を、皆さん方もテレビ、新聞で見ていただいたかもしれません。若干自画自賛になるかもしれませんが、日本が国際問題でこれだけリーダーシップを発揮した例というのは、過去一度もなかったのではないかと評価されましたし、私も各国大臣、事務総長を含めて国連の皆さんからも、大変感謝され評価されたと思っています。COPの会合でのいろいろな運営に関しても、それ以降、圧倒的に対応が違ってまいりました。まさに日本は大変重要な意思決定者の一人として、扱いを受けるようになったということで、そのことは大変重要であったと思っております。

 もう一つの鳩山イニシアチブというのは途上国支援です。これは皆さん方もご案内だと思いますが、COPというのは190カ国を超える条約締約国があるわけで、そのほとんどは途上国です。途上国の皆さんたちからすると、気候変動というのは先進国が起こしてきているではないかという話であります。「私たちはCO2もほとんど排出していない。先進国が  排出してきて、地球が温暖化し、海面の中に沈んでしまうという国もある。先進国の責任が重大だ」と言っている国が相当数あるわけです。それを理由に、できるだけ先進国からの支援も取りたいという部分も決してないわけではありません。

 COPの会議に参加、あるいは傍聴していただいた方はおわかりだと思いますが、おそらく3分の2の議論は、途上国の人たちのそういう議論です。ですから、その人たちを引きつけていかなければいけませんし、中国が途上国の枠組みに入るかどうかわかりませんが、京都議定書の中ではまだ入っていて、世界のCO2排出量の21%を排出しています。

 中国、インドを含め、途上国の人たちにも、きちんとこの議論に入ってもらわなければいけないという話ですから、まさに日本がどれだけのイニシアチブを発揮できるのかが極めて重要だと、大変評価をいただいたということです。そういう中で、鳩山総理が演説をさせていただきました。 (続く)

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